介護保険法令を理解し、使いこなそう!

第7回 介護保険サービス利用の手順

一般社団法人あたご研究所 代表理事
後藤 佳苗

保有資格、役職など
一般社団法人あたご研究所代表理事、特定非営利活動法人千葉県介護支援専門員協議会理事、看護学修士(地域看護学)、保健師、介護支援専門員、千葉県介護支援専門員指導者など
【略歴と現在の活動】千葉県職員(行政保健師)として、保健所、精神科救急病院、千葉県庁母子保健主管課、千葉県庁介護保険担当課等に勤務し、2005年4月~現職
ケアマネジャー、介護福祉職、行政等職員、コメディカルなどに対し、年200回以上のセミナーを全国で担当する

法令を理解し使いこなすことは、自分と仲間と事業所を守る第一歩です

千葉県船橋市で、あたご研究所を経営している後藤佳苗と申します。

連載第7回目の本号では、「介護保険サービス利用の手順」について、確認を進めます。

1.介護サービスを受ける手順

介護保険のサービスを利用するためには、被保険者に保険事故が発生していることを確認し(要介護・要支援認定を受け)、一人ひとりに必要な量と内容のサービスを決め(ケアプランを作成し)、個別サービス計画に基づいたサービスの提供をすることが必要です(図参照)。

図 介護保険のサービスを受ける際の手続き
出典:後藤佳苗,新訂 法的根拠に基づくケアマネ実務ハンドブック.中央法規,p16,2021

2.法定代理受領方式でのサービスの利用

介護保険のサービスは、まずは利用分を全額自己負担し、領収書を受け取り、保険給付分(7割~9割)についてあとから還付を受ける(償還払い)方式での利用が原則とされています。

しかし、償還払い方式では、利用者や家族はサービスを利用する際に、ある程度まとまったお金の用意が必要となるため、必要なサービスを受けない(受けられない)恐れもあります。

償還払い方式を、法定代理受領方式※へと変更できるものが、居宅サービス計画(ケアプラン)なのです。利用者が利用するサービスがケアプランに位置づけられていることにより、法定代理受領方式でサービスを利用できるようになります(法第41条第6項)。

このため、利用者の利便性の向上や必要な給付を適切に配分するために、居宅介護支援事業所をはじめすべてのサービス事業所には、法定代理受領方式を利用者が選択できるよう利用者を援助する義務があるのです。

介護保険のサービスを提供するためには、そのサービスがケアプランに位置づけられていることが原則となります(ケアマネジャーがケアプランに記載していないサービスについては、介護保険からの支払いを受けることができません)。

ケアプランを作成するケアマネジャーは、保険制度の理念と財政を維持し、質の高い対人援助サービスを公平・平等に分配・実施する役割を担っているといえます。

利用者の自立を支援するために、また、社会保障制度である介護保険制度を維持・継続させていくためにも,ケアマネジャーの責任と役割は大きいのです。

※法定代理受領方式とは、一般的なサービス提供の方式のこと(事業者等がサービスを提供し、その費用の9割(もしくは8割や7割)を利用者に代わって市町村等に請求・報酬を受け取る手順のこと)。

第7回はこれにて終了です。ご愛読いただき、ありがとうございました。

次回(連載第8回)は、「ケアマネジメントの定義と過程」について、確認を進めます。