介護支援専門員
WEBデザイナー
介護事業所コンサルタント
産業ケアマネ
さんかくしおハッカ(高畑俊介)

制度や技術がどれだけ変わっても、
人の幸せを真剣に考える“伴走者”としての
ケアマネジャーの役割は変わらない。
ケアマネジャーの“問い”が世界を変える
〜正解のない時代に、私たちが発信し続ける意味〜
「これは誰の幸せなんだろう?」
ケアマネジャーとして働いていると、そんな問いに立ち止まる瞬間があります。
制度の制約、限られた社会資源、本人の希望と家族の希望の間に生まれるすれ違い。
正解がひとつではない場面に、私たちは日々向き合っています。
誰もが答えを持たない。ゆえに、誰もが迷っています。
それでもなお、目の前の人の暮らしを支えるために、問い続けることをやめない。
私は、そんなケアマネジャーの姿に、強い専門性と人間らしさを感じています。
迷いこそが、専門性の証では?
ケアマネジャーという仕事は、マニュアルには収まりません。
たしかに、制度やルールは存在します。書類も、加算要件も、運営基準もあります。
けれど、現実はその通りには進まないことが多いです。
支援とは、常に「人間」という、予測できない存在と向き合う営みだからです。
「この人にとって、今いちばん必要なことは何だろう」
「家族も本人も、少しでも笑顔で過ごせる方法はないだろうか」
そんなふうに、私たちは迷いながら「問い」を立て続けています。
迷いのない支援は、きっとありえません。
むしろ、迷いながらも「誰かの人生にとっての最善」を考え続けること。
そこに、ケアマネジャーとしての専門性が宿っているのだと思います。
選択肢においても、絶対的な正解はありません。
A案にも、B案にも、それぞれにメリットもデメリットもあります。
それでも、「この選択が、この人の人生を少しでも豊かにするかもしれない」と信じて、ひとつひとつ決断を重ねていく。
私たちは、そんな日々の中で、小さな問いを繰り返しながら、支援を紡いでいます。
“支援する”というより、“共に考える”
ケアマネジャーという立場でいると、ときどき「支援者」という言葉に違和感を覚えることがあります。
支援する側と、支援される側。
そこにある一方的な関係性に、違和感を覚えるのかもしれません。
本当に私たちがしていることは、「支援する」というよりも、「共に考える」ことだと思います。
「してあげる」のではなく、「一緒に考え、一緒に悩む」。
その姿勢が、徐々に信頼を生むのだと感じます。
ときには、利用者本人よりも、家族よりも、私たち自身がいちばん悩んでいるのではないかと思うこともあります。
けれど、その悩みの深さこそが、相手に寄り添う力になると信じています。
「本当にこれでよかったのだろうか」と自問し続ける。
その繰り返しが、関係を深め、支援の質を高めていくのだと思います。
正解がわからないままでも、一緒に悩み、共に歩む。
それが、ケアマネジャーという仕事の、もうひとつの大切な側面なのかもしれません。
問い続ける力が、これからの社会を照らす
これからの社会は、どんどん変わっていきます。
AIも進化し、デジタル技術も発達していくでしょう。
情報はあふれ、便利なサービスもますます増えていくはずです。
しかし、どれだけ技術が進歩しても、「人が生きる」という営みの本質は変わりません。
「どう生きるか」「どう老いるか」「どう最期を迎えるか」。
それは誰もが向き合う問いであり、決してマニュアル化できないものです。
ケアマネジャーは、そんな問いに真正面から向き合う仕事です。
効率化できない、人間の営みに寄り添う仕事。
そして、誰もが簡単に答えを出せない場所で、それでも問い続け、誰かの光になろうとする存在です。
私自身、まったく完璧ではありません。
悩み、迷い、立ち止まることもたくさんです。
それでもなお、「これは誰の幸せなんだろう」と問いかけることをやめないでいたいと思います。
きっとその問いを手放さないことが、これからの社会に小さな希望を灯すのだと信じて。 明日もまた、ひとつの問いを胸に、歩き続けたいと思います。