東京都議会議員(町田市選挙区)
都民ファーストの会
政治と介護を紡ぐ会準会員
藤井あきら
専門はデジタルやスタートアップ分野ですが、ケアマネジャーを紡ぐ会の皆さんや家族から介護業界の課題を聞き取り組んでいます。最近は子育てにも奔走。
ケアマネの皆さんの声で、政治は動く。皆さんの声を政治に届けて欲しい。
はじめに:自己紹介
はじめまして。東京都議会議員(町田市選挙区選出)の藤井あきらと申します。2016年小池百合子都知事の最初の都知事選挙を支え、2017年に都議に初当選をした現在2期目の都議会議員です。前回2021年の都議選では、故宮﨑直樹・名誉会長を始めとして多くのケアマネジャーを紡ぐ会の皆さんに応援していただきました。ちなみに、今年2025年6月には次の都議会議員選挙が予定されています。

故宮崎直樹名誉会長と、「政治と介護を紡ぐ会」の前田麗子副会長と。
宮﨑さんとの出会いは、確か2018年に江戸川区の宮﨑さんの事務所ででした。私の従兄弟が大阪府で居宅介護支援事業所を営んでおり、そのつながりで紹介をしてもらいました。宮﨑さんがまだ船橋市議会議員になる前だったと思いますが、その豪放磊落(ごうほうらいらく)というか親分気質な性格から、弟分として? かわいがっていただきました。あ、私の妻も宮﨑さんと一緒に仕事をしていました。
そのような関係もあり、この間、ケアマネジャーを紡ぐ会や、政治と介護を紡ぐ会の皆さんから、東京都に対する様々な要望などを聞かせてもらい新たな仕組みを作ったり、制度の改善に取り組んできました。今日は皆さんと一緒になって取り組んできた事を紹介したいと思います。
① 認知症のある人の有償ボランティアを通じた社会参加
すべての人にとって、社会とのつながりを感じる事は重要です。働くことは、誰かの役に立ち、社会との繋がりを実感し、自己肯定感を高める事にもつながります。
介護の分野ではないですが、以前、東日本大震災の復興支援をしていた頃に知り合った現地の人から、「支援されるのはありがたい事だけど、いつまでも支援だけが続くのは実はツライんだ。本当は自分達も働くことで返していくのが一番いい」という話を聞きました。2012年頃でしたが、その人は被災地に仕事を作る活動をされていて、大変納得感がありました。
ケアマネジャーを紡ぐ会が取り組む「ななしょくプロジェクト」は、介護事業所と利用者さんが一緒にレクの時間を使って、お店などで有償ボランティアとして働く事例を多く作っています。私の地元の町田市にある通所介護事務所、DAYS BLG!さんは、自動車販売店の洗車やポスティングなどの謝礼の発生する有償ボランティアの取組の先駆けともいえる事業所です。
2024年4月に施行されたいわゆる認知症基本法では、認知症の人が生きがいや希望を持って暮らすことができるよう、都道府県に対し、認知症の人の社会参加の機会の確保が求められています。そこで、都の職員と共に、船橋市のドトールコーヒーとセブンイレブンでの取り組みを視察しました。

セブンイレブンでの認知症の方の社会参加プログラムを都の職員と視察
その後、都の施策に向けて都議会の一般質問で、認知症のある人の有償ボランティアを始めとした社会参加への提案をし、「有償ボランティア等を通じた社会参加の事例も検討しつつ、認知症基本法の趣旨を踏まえ、先駆的な取組を行う区市町村等とも連携して、認知症の方の社会参加を推進する」との答弁を得ました。
2024年度には先行する都内4自治体での取り組みが始まり、今年は8自治体での実施を予定しています。東京都の補助率10/10の事業となりますので、ぜひ多くの区市町村から参加を期待したいです。検討会にも27自治体が参加しており、今年はさらにその対象を広げたいとのことです。認知症のある人の社会参加の取組には地元事業者の参加と支援が欠かせません。ぜひ皆さんの地元の区市町でも取り組んでいるか確認をして、声をあげてみてください。

東京都の区市町村等への説明資料
②仕事と介護の両立支援
皆さんご存知のことですが、今年は団塊の世代が全員75歳となる「介護の2025年問題」の年です。仕事と介護を両立する人が増加し続ける中、国は両立支援に向けたガイドラインを策定するなど取り組んでいます。国だけでなく自治体も取り組みを進めていて、実は、東京都は全国の自治体の中でも仕事と介護の両立支援が先行している自治体です。活用を進めるためには現場の人たちに広く知ってもらう必要があります。
そこで、ケアマネジャーを紡ぐ会の産業ケアマネの方を中心に、今年1月に東京都産業労働局の担当者から都の「仕事と介護の両立支援」の説明を聞く勉強会を現地とオンラインで開催しました。

都は、家庭と仕事の両立支援の中に、仕事と介護の両立支援を位置付けています。ポータルサイトで情報発信をし、毎年11月にはシンポジウムを開催、また奨励金を支給する等しています。(東京都「家庭と仕事の両立支援ポータルサイト」https://www.katei-ryouritsu.metro.tokyo.lg.jp/)
奨励金には介護休暇取得応援奨励金最大105万円、働きやすい職場環境づくり推進奨励金最大100万円(介護と仕事の両立に関する相談窓口の設置40万円+介護離職防止のための制度整備40万円+加算20万円 ※2025年度は加算対象が拡大します)等があります。

2025年度の都の介護休暇取得応援奨励金

※昨年度(2024年度)のパンフレット
意見交換の中で参加者から「企業の中での介護相談窓口について、社員だけではなく、産業ケアマネ等の外部の専門家も活用すべきではないか」という提案をいただきました。それを受けて、今年の2月の都議会一般質問にて、外部専門家も対象とするように求め、「来年度は、相談業務の一部を社外の専門家に委託する場合も対象とするよう充実。また、介護との両立に取り組む企業の取組を紹介する中で、今後、外部の介護支援サービスを活用した事例も取り上げる」との答弁を得ました。ぜひ皆さんの産業ケアマネとしての都内企業との好事例がありましたら、私に教えてください。
③主任ケアマネの研修要件緩和、区市町村の推薦要件を撤廃
私たちは、これまで都議会においてケアマネや介護人材の待遇改善に向けて取り組んできました。例えば、昨年から始めた最大2万円の「居住支援手当」にケアマネを対象にするよう求めて実現をしてきました。ケアマネジャーの法定研修の費用を東京都が3/4負担する制度や、ケアマネの事務負担を軽減するための事務職員を雇用するための補助金250万円の居宅介護支援事業所事務職員雇用支援事業などを提案し実現をしてきました。

東京都の介護人材確保策
今年度からは、資格は持っているがケアマネの仕事についていない潜在ケアマネの再就業した場合に奨励金10万円を支給する事業を開始し、ケアマネ人材の確保に努めています。詳細は以下をご確認ください。

私たちは、このようにケアマネや介護人材の待遇改善することで、高齢化が進む東京の介護の課題を何とかして解決したいと取り組んできました。ところが、昨年の夏、「政治と介護を紡ぐ会」の山口さんから居宅介護支援事業所の継続が難しくなるケースが都内で起きているという相談をうけました。
ご存知の通り2018年の介護報酬改定により、主任介護支援専門員が居宅介護支援事業所の管理者要件となり、2027年からは全ての事業所で主任ケアマネの配置が必須となります。都内の主任ケアマネ研修の受講要件や基準が区市町村ごとにバラバラかつ条件が国の基準と比べてもあまりに厳しく、主任ケアマネを諦める人が出てきているとの話でした。
そこで、紡ぐ会の準備のもと、現場で働くケアマネさんや事業者などから話を聞きました。また、私が町田市でお世話になっている人も主任ケアマネの推薦を理由もわからないまま市からもらえず、主任ケアマネになる事を諦めたという話を伺いました。これはちょっとあまりにも不条理だと感じたことを覚えています。

写真にも写っている介護業界出身の後藤なみ都議会議員(足立区選挙区)とも連携をし、東京都と調整を重ねてきました。その間の詳細は山口さんの記事に詳しいのでこちらをご確認ください。https://tsumugukai.jp/seiji/archives/3887
先日の都議会の一般質問ではこの問題を取り上げ、主任ケアマネにおける区市町村の推薦要件を撤廃するとの都の対応が決まりました。「都はこれまで、主任介護支援専門員の研修受講料を補助するほか、資格更新時の研修要件を一部見直すなど、負担軽減に取り組んできた。区市町村等の意見も聴取し、来年度から、研修要件であった区市町村の推薦を撤廃する。今後、こうした研修要件の周知を図るとともに、主任介護支援専門員の確保・定着に向け、更に取組を進めていく。」

都職員からの説明を受ける奥から後藤なみ都議、佐藤さん、山口さん、藤井あきら
結びに:一緒に、介護の未来を明るく変えていきましょう!
高齢化とそれに大きく関係する介護の問題は日本が直面する一番大きな課題の一つです。東京都が変われば、国が変わるとの思いで課題解決に取り組んでいます。ケアマネジャーを紡ぐ会の皆さんからいただく現場の声をしっかりと政策につなげ、今後も東京から国を動かしてまいります。何かお困り事などありましたら、いつでもご連下さい。
東京都議会議員 藤井あきら
Mail: info@fujiiakira.tokyo
公式サイト: https://fujiiakira.tokyo/