ケアマネジャーは誰の味方か?(12)~介護保険部会の意見書を読み解く・続編~

ニッセイ基礎研究所主任研究員三原岳

本コラムの第1回では、ケアマネジャー(介護支援専門員)を取り巻く環境を俯瞰する図を示しつつ、第2回、第3回ではケアマネジャーに期待される「代理人」機能を考えることで、多職種連携の必要性を指摘しました。さらに、第4回、第5回はインフォーマルケアを巡る話題、第6回は介護サービス事業者との関係で発生する「公正中立問題」、第7回、第8回、第9回は市町村との関係を考察しました。

 第10回から少し表題とズレる面が出て来ますが、2024年度制度改正を占うため、介護保険制度の現状を概観し、第11回は懸案を先送りした社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)介護保険部会の意見書を読み解きました。第12回も続編として、負担と給付の見直しを中心に論点を見ていきます。

2割負担の対象者拡大、多床室の引き上げ

最初に、前回の「復習」ということで、今回の制度改正の論点と、2022年12月末に示された介護保険部会の意見書の内容を概観します。

次期制度改正論議のうち、負担と給付の見直しに関する論点出典:内閣府、厚生労働省資料を基に作成
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