ケアマネジャーは誰の味方か?(9)~地域支援事業の活用策を考える~

ニッセイ基礎研究所主任研究員三原岳

第1回では、ケアマネジャー(介護支援専門員)を取り巻く環境を俯瞰する図を示しつつ、本コラムの目的として、ケアマネジャーやケアマネジメントの「あるべき姿」から考える必要性を指摘しました。第2回ではケアマネジメントやケアマネジャーが創設された経緯を振り返りつつ、「代理人」の機能が期待される点を論じました。

第3回では代理人機能を考えることで、多職種連携の必要性を指摘し、第4回、第5回はインフォーマルケアを巡る話題、第6回は介護サービス事業者との関係で発生する「公正中立問題」、第7回はローカルルール、第8回は「地域ケア会議」を中心に、市町村との関係を考察しました。

第9回も市町村との関係を考えます。今回のテーマは「介護予防・日常生活支援総合事業」、通称「総合事業」を含めた地域支援事業です。一見すると、ケアマネジャーの皆さんとの関わりが薄い話と思われるかもしれませんが、インフォーマルケアとの関係で繋がりがあると思いますので、ご一読下さい。

複雑怪奇な総合事業

2006年度改正で創設された地域支援事業では、地域包...

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