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どうなる!?居宅介護支援事業所におけるLIFEの活用

天晴れ介護サービス総合教育研究所株式会社
代表取締役
榊原 宏昌

介護現場をよくする研究・活動を仕事としています!

京都大学経済学部卒業後、特別養護老人ホームに介護職として勤務。社会福祉法人、医療法人にて、生活相談員、グループホーム、居宅ケアマネジャー、有料老人ホーム、小規模多機能等の管理者、新規開設、法人本部の仕事に携わる。
15年間の現場経験を経て、平成27年4月「介護現場をよくする研究・活動」を目的として独立。
介護福祉士、介護支援専門員
執筆、研修講師、コンサルティング活動を行う。
著書、雑誌連載多数(日総研出版、中央法規出版、ナツメ社など)。
年間講演、コンサルティングは300回を超える。ブログ、facebookはほぼ毎日更新中。
オンラインセミナー、YouTubeでの配信も行っている。

「居宅介護支援事業所におけるLIFEの活用可能性の検証 調査研究の結果」の概要を学んで頂き、2024年介護報酬改定への準備として、LIFEの活用についてイメージして頂く機会になれば、と思います。

はじめに ~居宅介護支援事業所におけるLIFEの活用~

介護保険最新情報Vol.1085
「令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査
(令和3年度調査)の結果について(最終版・情報提供)」
(令和4年6月24日発出)にて、

「LIFEを活用した取組状況の把握及び
訪問系サービス・居宅介護支援事業所における
LIFEの活用可能性の検証に関する調査研究事業」
の結果が示されました。

今回は、この調査研究事業の結果と、
つい最近(令和4年8月3日)に開催された
第25回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定
検証・研究委員会で示された新たな調査研究の内容に
ついて見ていきたいと思います。

居宅介護支援事業所におけるLIFEの活用可能性の検証

まず、居宅介護支援事業所と訪問介護・看護で、
LIFE登録済み事業所対象の調査結果から気になるところを抜粋し
私個人の意見も交えてご紹介します。

※今回の調査研究事業では、居宅介護支援事業所については、
当該居宅介護支援事業所が担当している利用者にサービス提供をしている
居宅サービス事業所がLIFEに入力したデータを集計の上、
同様にフィードバック票を提供の上、活用頂いた、とのことです。

アセスメント等について

LIFEを活用した取組を通じて、利用者のアセスメント方法や頻度が統一された

→確かにこの効果はあるものと思います。

LIFEに利用者のデータを入力し管理することで、利用者の状態や課題を把握しやすくなった

→時間は要するでしょうが、データや情報に触れる機会が多くなることで把握が深まることは期待できそうです。

LIFE に関する平均所要時間( LIFE データ登録者1人当たり)
 アセスメント27.8分
 記録ソフトへのデータ入力22.4分
 インポート機能の利用3.6分
 LIFE上での直接入力10.5分


→平均で見ると、概ね1人あたり1時間、というところでしょうか。

「インポート機能を「不便だと思う」「やや不便だと思う」と回答した理由は、
「エラーが頻発する」、「使用手順がわかりづらい」の割合が高かった。


→エラーが多いと、単純な作業時間だけでない精神的な負担が増えそうです。
→ また、使用ソフトとの関連もありそうです。

LIFE 導入前後で、月に1回以上アセスメントを実施する
事業所・施設の割合が、13.6%から27.2%に増加した。

その中でも、ADL(Barthel Index)(65.4%→89.9%)、
行動・心理症状(DBD13)(25.9%→63.3%) 、
意欲(VitalityIndex)(31.7%→71.0%)の実施割合の増加が大きかった。

特にBMI・栄養に関する項目は利用者の経時変化を確認出来ることは有用。

→リアルタイムで状況を把握するという意味では重要な内容かと思いました。
 居宅介護支援においては、サービス担当者との情報共有も欠かせないと感じます。

各計画書などの書式にADL状況や、病名など重複する項目があるので、
どこか一つになるといい(入力の簡略化をしてほしい)。

LIFEの項目について、課題分析標準項目との連動性(整合性)も図ることも必要では

入力したものがきちんと確定としてデータ提出ができていないときがあるので、
きちんと提出できているか、不安がある。

→こうしたところは、一つ一つ改善を期待したいところです。
→特に、課題分析標準項目との整合性については、ケアマネジャーとしては望むところです。
→ただし、アセスメント表については、各事業所等で効果や効率を考えて、
 工夫して作成しているため、画一的なものが導入されてしまわないか、懸念されます。

モニタリング、LIFEやフィードバック票の活用

実際に起きた変化として、モニタリングの結果「目標達成に向けた居宅サービス事業所職員の意識が変わった」と回答した介護支援専門員が最も多く、23%であった。

→より「結果」を意識してアセスメント等を行うことで、こうした意識の変化が期待できるのだと思います。
→ただし、調査結果を見ると「特に変化がなかった」が57%で最も多かった回答ではないかと考えました。

活用事例を示してほしい。

フィードバック票だけを見ても読み解きが難しく、複数事業所からの結果の比較等、読み解きに苦慮したため、フィードバック票の活用の手引きのようなものがあるとよい。

→フィードバック票の本格導入とともに、先行事例、マニュアル等の作成が期待されるところです。

利用者個人のデータの推移が見られるとより、取り組みやすく、
利用者、職員のモチベーションアップにつながるのでないか。

→せっかくデータ入力をしていくわけなので、こうした活用につなげていきたいものです。

サービス担当者との連携

サービス担当者会議で、関係者に共有し議論ができる。

フィードバック票でデータとしてみると、居宅サービス事業所と居宅介護支援事業所との認識の乖離に気づくことができた。

→同じ項目の情報に触れることで、共有できるとともに、認識の違いも明らかになる、ということですね。
 これは非常に有用なことだと感じました。
→今回の調査では、サービス事業所側がLIFEを活用していることが前提であるため、居宅介護支援としても、
 LIFEを活用している事業所を選ぶ方向にいくのでは?ということも今後の流れとしてはあり得ると考えられます。

事業所フィードバック票を根拠として、事業所を紹介する理由を利用者に説明しやすくなる。

居宅サービス事業所も、全国的にみて自事業所がどうなのかは意識するのでは。その際に事業所フィードバック票が役に立つ。


→ケアマネジャーが複数のサービスを紹介する時の根拠にもなり、
 また、事業所のさらなるサービスの質の向上も促せる、ということですね。
 まだまだこれから期待される内容かもしれませんが、このように活用していきたいものです。

以上、いかがでしたでしょうか?
2024年介護報酬改定への準備として、LIFEの活用についてイメージして頂く機会になれば、と思います。

新たな調査研究の内容とは?

令和4年8月3日に開催された
第25回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定
検証・研究委員会において示された、
「LIFE を活用した取組状況の把握および
訪問系サービス・居宅介護支援事業所における
LIFE の活用可能性の検証に関する調査研究」では、
とりわけ居宅介護支援事業所については、
以下のように書かれています。

●次期介護報酬改定に向けて、
訪問系サービス及び居宅介護支援事業所におけるLIFEの活用可能性について、
令和3年度に実施した少数の事業所でのモデル的な調査の結果
(※本稿でご紹介した調査結果、事業所数は10事業所)を踏まえて、
より多くのサービス及び多数の事業所を対象とした調査を行い、
具体的な活用方法及びそれに向けた課題等について検討することを目的とする。

●居宅介護支援事業所:約 100 箇所(※令和3年度調査の10倍の事業所数)
・モデル事業所を募集し、LIFE へのアカウント登録、
データ登録(科学的介護推進体制加算の項目)を実施いただく。
・フィードバック票を提供(利用者が利用している通所介護事業所等で
科学的介護推進体制加算を算定している場合、
当該事業所が入力したデータを用いたフィードバック票も提供)し、
ケアの質の向上に向けた取り組み(事業所内やサービス担当者会議での議論等)を
実施頂く。
・アンケート調査・ヒアリング調査でアセスメント
LIFE 活用のフィージビリティ及びフィードバックの
活用可能性等の把握を行う。

この新しい調査では、
まず、対象事業所数は10倍になっているということと、
居宅介護支援としてLIFEへの入力を行う、ということが、
前回調査と大きく異なる点です。

2023年3月ごろとりまとめ、との報道も出ていることから、
2024年介護報酬改定に大きな影響を与える調査となりそうです。

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