福祉・医療制度改革ズームイン(17) 2025年に代わる「2040年」の議論はどうなる?

ニッセイ基礎研究所上席研究員三原岳

厚生労働省は医療・介護制度の見直しに関して、従来の「2025年」に代わる目標として、新たに「2040年」を据えようとしています。直近10年ぐらいでは、人口的にボリュームが大きい「団塊世代」が75歳以上になる「2025年問題」が重視されており、住み慣れた地域で暮らし続けるように支援する「地域包括ケアシステム」の確立に向けた施策など、医療・介護で様々な制度改正が実施されました。
しかし、目標年次が到来したため、厚生労働省はターゲットを「2040年」に再設定しようとしています。まだ詳細な議論が進んでいるわけではないため、現場のケアマネジャー(介護支援専門員)の皆さんにとって、どんな影響が出るか読み切れるわけではありませんが、今から議論の大枠を理解することは重要と思います。
そこで、今回は2040年を意識した制度改正について、予想される論点を検討します。

フォアキャスティングとバックキャスティンング
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