単独型居宅介護支援事業所の主任ケアマネジャー
元・医療法人系居宅介護支援事業所管理者
カイゾウ@在宅ケアマネ14年目!!
現役ケアマネ視点でケアマネ業務や介護のあれこれを定期発信しています。
ケアマネ経験の少ない方はシャドーワークに対する利用者・家族やサービス事業所・関係機関等からの依頼にどのように対応したら良いのか、どう捉えたら良いのか悩むことと思います。
そんな悩みをケアマネ歴14年目の私の意見を踏まえて一緒に考えてみたいと思います。
ケアマネのシャドーワークを考える!
どーもカイゾウです。
今回の記事は「ケアマネのシャドーワークを考える」をテーマに書いてみたいと思います。
ケアマネが「大変」だと言われる理由の一つに「シャドーワーク」が挙げられます。
シャドーワークとは本来のケアマネの業務を超えた仕事のことで、ケアマネの多くは少なからずこのシャドーワークを経験したことがある人が大半だと思います。
かく言う私も少なからずシャドーワークは経験しています。
例えば、モニタリング以外の訪問(安否確認や緊急対応、不穏時の対応等)、救急搬送後の利用者・家族のフォローなど対応してきました。
とは言え、私はシャドーワークが少ない方だと思います。
それは何故か?
私は「シャドーワーク」に対して取捨選択し、どうしても「私(ケアマネ)」が対応しなければならない時にだけ行動しているからです。
シャドーワークにはどんなことが含まれる?
日本介護支援専門員協会が行った調査結果を参考にシャドーワークと言われる業務をいくつか書き出してみたいと思います。
- ① 安否確認(モニタリング以外の訪問・見守り支援や緊急対応を含む)
- ② 利用者の介護に関すること以外の相談(行政手続き、人間関係、財産や相続関係等)
- ③ 介護保険以外の諸手続き(金融機関手続き、行政上の諸手続き等)
- ④ 入退院時の手続き支援
- ⑤ 入退院時の生活用品等の調達
- ⑥ 災害発生や災害危機時の声掛け、安否確認
などが含まれるようです。
シャドーワークに対する私の対応
ではこの①~⑥に挙げられているシャドーワークのうち私が行った経験があるものを挙げてみます。
実際私が行ったことがあるのは①・②・⑥です。
①安否確認は主に独居の方や認知症・精神疾患の利用者に対応したことが多い傾向にあります。過去独居で若年性認知症の女性の方が混乱した時には入院対応までした経験もあります。
②これは①~⑥の中で私は最も多いです。介護保険以外の行政手続きはほとんどありませんが、人間関係に対する相談事は会話の中から受けることも多々あります。
⑥は東日本大震災の時に経験があります。利用者宅に訪問中に起きた出来事でもあり、その後の対応や独居の方を中心に安否確認を行いました。
それらの経験を踏まえ、私が思うのは①②⑥に関しては人道的にも「業務外の仕事です」と割り切ることは難しいです。特に⑥に関しては地域によって行政でローカルルール化されている所もあると思います。
では③④⑤に関してはどうか?
私は絶対に対応しません。その理由は以下になります。
③は責任が負えないから。行政手続きに関しては、介護保険以外についてはすべて断ります。そして、利用者自らもしくはその他サービスで補える方法を考え調整します。
これまでの経験では調整できなかったことはありません。時間は掛かれど必ずどうにか出来ます。
④⑤に関してはケアマネが対応する必要はありません。考え方としては「道端で倒れ救急搬送された人はどうするの?」です。
病院側がケアマネに求めてくるのはたまたま高齢者でケアマネがついているからであって、道端で倒れている人が救急搬送されてきた場合に何とか出来ているのであれば、それは病院側が対応出来ているということになります。
それをケアマネに依頼してくるということはそれがシャドーワークに当たることを知らないから。
私も過去に「〇〇さんの担当ケアマネですよね。本日救急搬送されたので着替えを持ってきてください」と言われたことがありますが、上記の理由を述べて断りました。「必要であれば病院側が〇〇さんの許可を得て家に取りに行ってください」と。
ここまでで私が何をもってシャドーワークをするかしないか取捨選択しているかお気づきになった方もいると思います。
私がシャドーワークをする場合は利用者の命に係わるか否か。もしくは私(ケアマネ)の出来る範疇であるか否かで行動を決めています。
ただ、家族からの緊急訪問に関しては状況や状態等電話で詳しく聞いた上で、行かないこともあります。何故なら家族がケアマネを都合よく使おうとするケースもあるので…。
そのような場合は後にケアマネ交代にあったとしても断るようにしています。
シャドーワークを背負い込まないように
利用者やそのご家族、サービス事業所や時に病院などからケアマネは様々な対応を依頼されることがあります。
そんな中「それってケアマネがやる仕事なの?」と疑問に思っても、責任感や断りづらさから疑問を投げかけずに黙々とシャドーワークを受けているケアマネもいるかもしれません。
私も前述したようにシャドーワークを受けてきましたが、あくまでケアマネジメントに活きることしか受けていません。
疑問に思ったこと、ケアマネにとって大変なことは断ったって良いんです。
何故なら「シャドーワーク」だから。
とは言え何でもかんでも断っていては、それはそれでケアマネとしてというよりも人として疑問に思われることもあると思います。
シャドーワークが舞い込んできた時。それに対して行動するか否かは「利用者の命に係わるか?」「ケアマネの出来る範疇であるか?」を考えてみてはいかがでしょうか
参考になれば幸いです。
今日も最後まで読んで頂いてありがとうございました。