理想のケアマネを考える!

カイゾウ@在宅ケアマネ14年目!!

現役ケアマネ視点でケアマネ業務や介護のあれこれを定期発信しています。

ケアマネとして利用者との向き合い方や支援方法に正解はありません。
とは言え、自分の中で理想のケアマネをイメージしておくのは良いことだと思います。
今回は私の考える理想のケアマネを思い浮かべながら書いてみたいと思います。

どーもカイゾウです。

今回の記事は「理想のケアマネを考える」をテーマに書いてみたいと思います。

ケアマネ(介護支援専門員)は試験に合格してからケアマネとして働き始める時、資格を更新する時、主任介護支援専門員になる時など常に研修を受けて知識をアップデートしていきますが、ケアマネとしての「正解」を学ぶわけではありません。

研修で学ぶことは実践で活かす為のものですが、その知識をどう活かすかは「経験」を経てケアマネ個々で変わるモノだと私は思っています。

例えば「多職種連携」一つを取ってみても、地域によって考え方、実際に出来ることは異なります。

研修で学ぶことは「根幹」であって、それら全てが自分(一ケアマネ)や働く地域に当てはまるかというとそうではない。

ケアマネは利用者を支援する上で「こう動けば正解」というものがありません。市区町村・利用者個々・働く事業所によっても「最適解」は異なります。

正解がない仕事をする上で大切なこと。それが「理想」だと私は思っています。だからこそ今回は「理想のケアマネ」とは何なのか?私なりに考えていることを書いてみたいと思います。

前置きが長くなりましたが本題です。

ケアマネとして働き始める時、働き始めてから、時間の経過と共に理想も変化してくるものです。

それは学びや経験を通して、自分が「どんなケアマネで在りたいか」が変化するからだと思います。

私はケアマネになってすぐに理想としていたものは「利用者の困りごとを全て解決できるケアマネ」を理想にしていました。

「せっかく相談してくれたのだから」とケアマネが行う必要のない支援を自ら行ったこともあります。

しかし、担当人数が増え、ケアマネとしての経験を積み、少しずつ「全ての利用者に同じように平等に対応することが出来ない」と理解してから「困りごとを全て解決する」という考え方を改めました。

そもそもその「困りごと」を解決することが利用者の為にならないことが少なくないことも理解したから。
そして、14年という時を経た今の私が考える「理想のケアマネ」は以下になります。

・利用者のニーズに合ったチームを作ることが出来るケアマネ
・専門職個々の力を理解して、最適な情報を「チームで」利用者に提供できるケアマネ
・「正論」を正論と理解した上で利用者と接することができるケアマネ

この3つが私の理想とするケアマネに必要な要素だと考えるようになりました。

利用者のニーズは千差万別。一人として同じ状態で同じ生活をしている方はいません。
利用者個々のニーズを的確にアセスメントし、その方にあったチームを地域資源の情報を活かして最適なチームを選択出来るのが1つ目の私の理想。

チームが出来たなら次にそのチームの専門職個々の力を理解し、利用者の情報を適切に共有しながら、各専門職の専門領域を活かして利用者に最適な情報が提供できるように正しく専門職の「力を借りられる」のが2つ目の理想。

3つ目は「正論」を理解した上で、それをただ押し付けるだけでなく、利用者の特性に合わせて必要に応じて「正しく伝えること」が出来るのが理想的だと思うようになりました。

利用者の支援をする上で「この人もっと○○したらきっと○○になるのに」と経験と共に道筋が見えてくることがあります。

するとその「○○」が正解に見えてきて、自分の思う方向に勧めたくなってしまうこともあります。

でも、そもそもその「○○」は利用者にとってはどう感じるのでしょう?

私(ケアマネ)にとっては「最適解」でも利用者にとっては「最適」にならないかもしれない。そういう意識を持つことがケアマネをする上では大切なのだと最近私は感じています。

ケアマネとしてもっとも大切なことは、利用者個々の「最適解」を探り続けることだと私は思うようになりました。

ケアマネ自身が「良い支援が出来た」と思うことよりも利用者・家族が「これで良かった」と思える結果に繋がることが大切なのだと思います。

私はケアマネという仕事が好きです。何故なら利用者を通して自分と向き合うことになるから。

この人(利用者)はなぜこのように考えるのだろう?どうしてこういう答えに行き着いたのだろう?この人(利用者)にとって何が今の最善なのだろう?

このような問いと毎日向き合うことで自分自身とも向き合うきっかけになり、結果として自分自身の成長に繋がっていると感じています。

人は自分以外の人のことを考える機会って実はそんなに「ない」のだと思います。でもケアマネという職業を通して自分以外の人のことを考える機会に繋がり、結果自分にも返ってくる。最高な職業の一つではないでしょうか?

今はケアマネ不足が問題視されています。

この記事を読んでくださった方が少しでもケアマネに興味を示し「私もやってみようかな」と思ってくださったり「まだ頑張ってみよう」と思うことに繋がったなら嬉しく思います。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。