ICT活用でどうなっていく?ケアマネ業務 ~モニタリング~

わかばケアセンター 居宅業務管理課 主任介護支援専門員
遠藤 貴美子

本⽂を通して⼀番伝えたいこと:コロナ禍を経て、世間は大きく変わりました。
私達ケアマネジャー業務でもICT活用は身近なものになっています。
では今後、私達の仕事はどうなっていくのでしょうか? どのような変化をしていくのでしょうか?

 「私、退職するんです。数件プランを受けてもらえませんか?」

最近、こんな電話が増えていませんか?

私が勤務している東京の某区は横に広がっていて、それぞれの地区には様々な特徴があります。

しかし、ケアマネジャー退職の波に違いはなく、最近はそれが毎月コンスタントに・・・。

退職するケアマネジャーからお願いされたプランを「2~3件ぐらいなら」と、優しい気持ちで毎月受けていると、事業所は利用者であふれてしまい自分たちが溺れそうになっていませんか?

このケアマネジャー退職問題。

みなさんもご存知の通り、全国的にかなり深刻なようです。

国は、ケアマネジャー人材不足について「法定研修が多職種と比べて多すぎる」「ケアマネジャー試験合格者が2割以下と入り口を閉めすぎている」「全国的にケアマネジャーの育成確保、処遇改善、経営の安定の両立を図らなければならない」等の課題を主な意見として公表しています[i]

つまり、みなさんが常日頃感じているように、ケアマネジャーの仕事内容と報酬が見合っていないということ、さらには、そもそもケアマネジャーのなり手を増やそうとしていないことが人材不足の原因ではないか?ということが見えてきました。


[i] 社会保障審議会介護給付費分科会(第230回)令和5年11月6日

この人材不足を解消する道具として必要だと示されているものが「ICT」です。事業所間の情報連携による業務効率化を積極的に図っていくためにはICTの活用は有効だと言われています。令和元年度に行われた調査では「訪問先等からICT機器(スマホ・タブレット等)を用いて利用者情報にアクセスできる」と回答した事業所が15.6%だったのに対して、令和4年度には25.2%に増加しました[i]。これは、コロナの影響が大きいと考えられますが、今までICTを難しいとか経費がかかると考えていたケアマネジャーや経営者も使わざるを得ない状況となったのではないかと推察するところです。


[i] 令和4年度老人保健等推進事業「居宅介護支援及び介護予防支援における令和3年度介護報酬の影響に関する調査研究事業」((株)三菱総合研究所)

 令和元年度老人保健等推進事業「居宅介護支援及び介護予防支援における平成30年度介護報酬の影響に関する調査研究事業」((株)三菱総合研究所)

では、今後、ケアマネジャー業務の中でどのようなICTの活用が想定されているのでしょうか?

現在、国では、図1の結果を踏まえ、図2のことが検討されています。

・モニタリングに関して、訪問のための移動に一定の時間を費やしていることや、訪問を負担と感じているケアマネジャーが存在することが明らかとなっている。
・令和5年度の老健事業において、テレビ電話装置等を活用した利用者の状況把握とサービス事業所からの情報提供を組み合わせたモニタリングの実証調査を行ったところ、
デメリット
・利用者の状態や居宅の環境等の情報収集に制約がある  ・実証に参加した利用者のうち半数以上は訪問でのモニタリングを希望している
メリット
・利用者の状態によっては、十分なモニタリングが可能である ・モニタリングのための移動時間が節約できる ・情報収集するサービス事業所側においても新たな気づきが得られた
図1 論点4 他のサービス事業所との連携によるモニタリング

出典:社会保障審議会介護給付費分科会(第230回)令和5年11月6日 筆者一部改変

利用者の状態によっては、テレビ電話装置等を活用しつつ、サービス事業所と連携することで、訪問による場合と同水準のモニタリングができたとの結果を踏まえ、引き続き、少なくとも月1回(介護予防支 援の場合は3月に1回)の訪問によるモニタリングを原則としつつ、一定の要件を設けた上で、テレビ電話装置等を活用したモニタリングを行うことも可能としてはどうか。具体的には以下の要件。
 ① 利用者の同意を得ること
 ② サービス担当者会議等において、主治医、サービス事業者等から以下の合意が得られていること
・利用者の状態が安定していること(主治医の所見等も踏まえ、頻繁なプラン変更が想定されない等)
・利用者がテレビ電話装置等を介して意思表示できること(家族のサポートがある場合も含む)
・テレビ電話装置等を活用したモニタリングでは収集できない情報については、他のサービス事業者との連携により情報を収集すること(※)
 ③ 少なくとも2月に1回(介護予防支援の場合は6月に1回)は利用者の居宅を訪問すること
図2 論点4 他のサービス事業所との連携によるモニタリング 対応案

出典:社会保障審議会介護給付費分科会(第230回)令和5年11月6日 筆者一部改変

図を読んでいただいた感想はいろいろだと思います。

「大丈夫?」と不安に思った方も、「いいね」と思った方もいるでしょう。

詳細については検討中ですが、ケアマネの人材不足による弊害は、もはやICTなしでは解決できない段階まで来ています。苦手、嫌い、経費がかかる等の意見はあると思いますが、ケアマネジャーとして仕事を続けていくためには、国の動向を見ながら今後を準備していくことも大切なことかもしれませんね。