介護支援専門員(ケアマネジャー)として在宅支援での困難事例ケースについて

主任介護支援専門員(在宅ケアマネジャー)
アイアム(藤井聡浩)

私のこれまでのケアマネとして働いてきた約6年間の実体験をもとに、日々の様々なケアマネ業務、働き方などについてブログ運営しているアイアムと申します。

実際の困難事例ケースとテキストの再実感

今回は在宅のケアマネジャーとしての実際に経験した困難事例ケースについて実体験ベースでお話していきたいと思います。

まず初めに地域にもよりますが「困難ケース」は地域包括支援センター経由での相談が多い傾向にあります。そして大変でないケースを自分のところの法人で担当し「困難ケース」で大変になり得るケースを私たち居宅介護支援事業所に話をもってくるという地域も少なからず存在します。

本来ならば地域包括支援センターは中立な立場で公平にジャッジメントしていく必要があります。こういった類も含めての、いわゆる「囲い込み問題」は「問題」となっているのにも関わらず、ないがしろになっているという現実があります。

今回のケースはその話ではないので割愛しますが、本来あるべき中立な地域一体でのケアマネジメント業務を行っていくためには、一人ひとりの在宅ケアマネジャーも「自分」で行動していくことが大切かと思われます。

ということで、今回お伝えしたいことは「困難ケース」は地域包括支援センターと連携して解決しましょうとテキストには謳ってはいるものの、実際の事例では居宅介護支援事業所に押し付けられて(言葉は悪いですが)しまったケースにおいての対応方法をご紹介します。

在宅ケアマネジャー(一人居宅)であると一人でなんとか解決していかなければならない場合が多々発生します。

そういった「よもや」のケースに備えて、関係各所の同意を得た上で、近くの交番で「〇〇さんという方の担当になったケアマネジャーです。○○さんは、最近夜中に出かけて迷ってしまったり、閉じこもったままご飯も食べずに倒れていることもあったりします。情報として、耳にいれておいていただければ幸いです」と「もしかして」の場合に備え、警察機関に名刺など渡して相談しておくことも1つの手段です。

また民生委員の方も調べることができますので、事前に警察機関と同じように前準備として相談しておくことで、私たち在宅ケアマネジャーにおけるセーフティネットにもなり得ます。

そういった関わりが、一人ケアマネジャーだけでなく、地域として支えることにつながり、利用者様の事故やケガの予防や、重大事件になってしまうリスクを低くすることにもつながります。

実際に私は、独居の「介護支援を拒んでいる高齢者」の担当になったことがあります。ある朝訪問した際に、玄関先で倒れているのを発見しました。

ドアのガラス越しからくっきりとそのシルエットを確認することができ、私はすぐさま救急車を呼び、交番に連絡し応援に来ていただき、緊急用のカギが置いてある物置小屋から警察官と共に裏玄関のドアを開けました。

脱糞等しているその方を警察官と協力して全介助し、救急隊員の指示を仰ぎながら待機しました。

その方は、早朝に脳梗塞を発症し、その寝ている2階から転げ落ちて玄関で倒れたとのことです。
改めて、事前に警察にも協力の相談をしていた大切さを実感しました。

事故やケガの心配が常にある方を「どのように支援したらよいか?」と、自分自身常に考えています。

今回のケースのような他にも、キーパーソンに精神的な疾患があり、本人のケアマネジメントに支障をきたしているケース。または夫婦暮らしで共に認知症を発症して日常生活が困難になっているケースなど、挙げたらキリがありません。

そのような様々な困難なケースは、ときとして何十人も1人で担当している私たち在宅ケアマネジャーの大きな悩みの種となり、私たちケアマネジャーが精神的に病むことさえあります。

だからこそ、そうならないための予防線を張ることが大切です。困難ケースに関わった自らが苦しんでしまう最悪なケースにならぬように、支援の幅やセーフティネットを自分自身で構築していくことを心がけましょう。その行動が自分自身だけでなく、担当している高齢者の方を守るという意味合いにおいても非常に大切なことです。