株式会社 わかばケアセンター 居宅業務管理課 課長
遠藤 貴美子
更新研修廃止の方向性
2025年12月の介護保険部会でケアマネジャーの更新研修は廃止とすることが適当という方向性が示されました。これまで、ケアマネジャーを悩ませてきた「更新制」が大きな節目を迎えようとしています。
国が廃止を検討している主な理由は表の通りです。

これに対する皆さんの「心の声」を代弁すると、このような感じではないでしょうか?
・研修受講による時間的、経済的負担が大きい
☹:休み時間はトイレ+電話連絡するケアマネがたくさん発生。「今日は研修で・・・」とみんな言っている。こんな日に限ってトラブル続出。
☹:特に女子トイレは混むから大変。みんなダッシュする
☹:事前課題がたくさんあるのに研修では使わない。あの労力はどこへ?
☹:地味に受講費用が高いし、テキスト重くて多すぎ
・適切なケアマネジメント手法を取り入れたことでケアマネの専門性の向上が進んでいる
☹:「適切なケアマネジメント手法」って結局よくわからない
・更新研修を廃止すれば利用者支援の時間が増加することが見込まれる
☹:利用者支援の前に、まずは溜まりにたまった書類の作成・整理の時間にしたいのが本音です
まだまだあると思いますが代表されるのはこんな感じでしょうか?
「廃止=研修なし」という甘い話ではない?
更新研修廃止の方向性に喜んだケアマネさんも大勢いたと思いますが、現実はそんな甘い話ではないようです。国は、更新制度を廃止する一方で、以下のような条件を求めています。

つまり、更新研修が廃止になっても、専門職として学び続ける義務は変わらないということです。国は「更新の仕組みを廃止したとしても、専門職として、新たな知識と技能の習得に継続的に取り組んでいくことの重要性は変わるものではない」としています。一方で、研修内容については「同じ事の繰り返しでつまらない」などの声が聞こえていましたが、研修実施主体側には、内容の改善を図ること、時間的・経済的負担の軽減が求められました。さらには「うちの会社、有給で研修行けって言うの」というのもよくありましたが、こちらについても研修時間=労働時間と改めて再周知されたことになります。
これからの研修受講はどうなるのか
「更新研修廃止の方向性」という話が出たときに、心配されたのは地域や職能団体で行っている研修の受講者数が減少することです。そもそも、主任ケアマネジャーは年間で4回以上の研修受講が課せられていましたので、条件をクリアするために必死でした。しかし、この条件がなくなると、研修を受講する必要性がなくなるのでは?という考えに基づいて受講生の減少を懸念する声が上がっています。
私がケアマネジャー資格を取得したのは20年以上前になりますが、その頃は資格の更新制や、法定研修の義務付けはありませんでした。しかし、現在のように研修実施主体が開催するような研修は定員オーバーで申し込みできないこともありました。また、地域で行っている研修にもたくさんのケアマネジャーが参加していました。制度に強制されなくても、自ら学ぶ姿勢をもっていたということです。
このことから、私は、更新研修が廃止になっても、一定の受講生の減少はみられるが、大きな減少はないと考えています。なぜなら、ケアマネジャーが関わる利用者やその家族が抱える課題が複雑化・複合化していることに伴って、自分の分野外の対応が求められ、定期的に自分の知識を増やしていく必要があるからです。例えば、貧困、障害、ヤングケアラーなどが課題であれば、それを解決できる機関につなごうとするでしょう。しかし、知識がないとそれを課題として把握することすらできないのです。
また、コロナ禍以降、ウェブ研修が普及し、どこにいても、何をしていても、気軽に研修に参加できるようになったことも学びのハードルを大きく下げています。
研修を受講する意味
「今日、忙しいのになんで研修申し込んじゃったのだろう」と後悔するのが研修ですね。
しかし、受講後はどうでしょうか?
「受講しなければよかった」という感想は、案外と少ないと思います(一つや二つあるかもですが)
研修を受講する意味は、さまざまありますが、
・自分のスキル向上
・人とのつながりを広げる
・ケアマネジャーとしての仕事の振り返り
などです。
これらはすべて、最終的には自分自身の助けとなり、仕事の質を高めてくれるものです。
更新研修が廃止になっても自分を高めるために積極的に研修を受講していきましょう。







