仕事と健康―ケアマネジャーとして働く私が、いま一番大切にしていることー

介護支援専門員 
介護ICTコンサルタント
産業ケアマネ
さんかくしおハッカ(高畑俊介)

仕事に真剣に向き合うほど、私たちは自分自身の健康を後回しにしがちです。特にケアマネジャーをはじめとした介護職は、感情労働が中心となる仕事であり、体以上に「脳」や「心」が静かに疲弊していきます。健康は一気に整えるものではなく、日々の小さな習慣の積み重ねによって守られるものです。自分を整えることは甘えではなく、支援の質を高め、この仕事を長く続けるための責任でもあります。まずは明日から一つだけ、自分のための行動を選んでほしいです。

介護の仕事、とりわけケアマネジャーという職種は、「人の生活そのもの」と向き合う仕事です。
制度、家族関係、医療、感情、人生の選択。
それらが複雑に絡み合う現場で、私たちは日々、判断を重ねています。

そんな仕事を続けていると、いつの間にか自分自身の健康が後回しになっていることがあります。
特に仕事が立て込んでくる時期、「今は踏ん張りどころ」「忙しいから仕方ない」と自分に言い聞かせながら走り続けていると、ふとした瞬間に、こんな感覚が訪れます。

「自分はいま、何をしてるんだろう?」

疲れているのか、気が張っているだけなのか。
体がしんどいのか、心がすり減っているのか。
その境界線が、分からなくなってくるのです。

健康について語ると、「運動しましょう」「食事に気をつけましょう」といった正論が並びがちです。
もちろん、どれも間違ってはいません。
けれど現実問題として、分かっていても、できない。
それが多くの働く人、特に介護現場に従事する人の本音ではないでしょうか。

だから今回は、「こうしなければならない」という話ではなく、
なぜ私たちは健康を崩しやすいのか、
そしてどうすれば少しだけ楽に保てるのか、
その視点で考えてみたいと思います。

健康は、突然手に入るものでも、突然失われるものでもありません。
気づかないうちに少しずつ削られ、ある日「限界」という形で表に出てきます。

だからこそ大切なのは、無理なく続けられる生活習慣です。

私自身、最近あらためて強く感じているのが「週一回の運動」の力でした。

最近、週末を中心にジムへ通うようになりました。
最初は体力をつけなければ、という思いからでしたが、続けてみて意外だったのは疲れ方の変化です。

体を動かした日のほうが、何もせずダラダラした日よりも、疲労感が少ない。
むしろ頭がスッと軽くなり、体の動きも良くなる感覚があります。

これはおそらく、私たちの仕事が脳を酷使する仕事だからだと思います。
書類作成、判断、調整、あらゆる人の感情の受け止め。
目には見えませんが、脳は常にフル稼働しています。

体を動かすことで、思考のスイッチを一度切り、血流とともに脳をリセットする。
有酸素運動でも、軽い筋トレでも構いません。

忙しいから運動できない、ではなく、
忙しいからこそ体を動かしたほうが楽になる。

これは、デスクワークの多い現場で働く人ほど実感できることだと感じています。

次に、食事とお酒の話です。
脂っこい食事が続けば胃が重くなり、飲みすぎれば翌日に響く。
当たり前のことですが、これが積み重なると、判断力や集中力、心の余裕は確実に落ちていきます。

サプリメントで補うこともできますが、基本は日々の食事です。

・夜遅くに食べすぎない
・休肝日をつくる
・胃腸を休ませる日を意識する

こうした小さな工夫が、翌日の仕事の質を大きく左右します。

介護職は「ミスが許されない仕事」というイメージがあります。
だからこそ、体調管理は仕事を続けるための大切な土台だと考えています。

ケアマネジャーをはじめとする介護職は、典型的な感情労働です。
利用者さんの不安、家族の葛藤、介護現場の疲弊、制度とのギャップ。
それらを受け止め、咀嚼(そしゃく)し、支援に活かしていく。

この作業は静かに、しかし確実に、心と脳を消耗させます。

だから必要なのは、「何もしない時間」ではなく、「意識的に脳を休ませる時間」です。
映画や音楽に集中する時間、趣味に没頭する時間。

この余白があるかどうかで、仕事の質も、人との関わり方も大きく変わります。
余白がある人は、人に優しくなれます。 余白がないと、言葉が尖ってしまう。

これは能力の問題ではなく、環境と習慣の問題です。

私たちは「利用者さんのために」と頑張りがちです。
けれど実は、自分が整っていることこそが、最良の支援なのだと思います。

健康を守ることは、わがままでも甘えでもありません。
この仕事を続けるための責任であり、目の前の人に向き合い続けるための準備です。

大きく変わる必要はありません。

・15分だけ散歩してみる(一駅分くらいなら歩いてみる)
・しっかり湯船に浸かって、リラックスする(血流促進)
・週に2日は休肝日をつくる
・寝る前の20分だけ何も考えない余白をつくる(読書やドラマを観る)

こんなことで十分です。

健康は一気に変えようとすると続きません。
でも、少しずつなら、必ず積み上がります。

介護職である前に、私たちは一人の人間です。
どうか、自分自身の健康を大切にすることを後回しにしないでください。

それはきっと、あなたの仕事を、そして人生を、長く支えてくれるはずです。