10年間を振り返って思うこと

ケアマネジャーを紡ぐ会静岡支部長
合同会社Yet代表社員
山梨義正

「しぞーかのやまなし」です。

単独型居宅介護支援事業所を経営して10年が経ちその振り返りと、これから独立を考えている方たちや、現在奮闘している方たちに向けてのエール!

この名前を見た時に「こんな協会あるんだ」と強い興味を抱くと同時に「なんか胡散臭いな」という思いが頭の中で交錯したのを鮮明に覚えています。

ご存じの通り「一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会」は、ケアマネを紡ぐ会の正式名称になるのですが、自分が居宅介護支援事業所を開業して2、3年した頃に届いたFAXDMを見た時の正直な感想でした。

無資格で介護の現場からたたき上げてきた自分は、その経験の中で居宅介護支援事業所は単独であるべきとの思いを強く持ち、平成27年に単独型の居宅介護支援事業所を立ち上げました。

そんな固定概念を変えたくて、しっかりと事業として成り立たせていかなくてはならないと、事前に事業計画も立て3年間で軌道にのせることを目標としてスタートしました。

最初の3年間はとにかく営業をして回り、1件でも多く依頼をもらえるよう必死だったことを覚えています。

その頃は今とは違い、求人を出せばケアマネジャーの応募もそこそこありましたので、順調にケアマネも増えて、3年目には目標を達成し事業として成り立つことを証明できました。

ちなみに特定事業所加算は2年目で取得をし、市内の単独型居宅で当事業所が初めてのことでした。

今振り返ると、この頃はとにかく特定事業所加算が取れるようになるまで頑張ろうと必死でした。地域包括支援センター、病院の連携室、サービス事業所等へ出向き、どんな案件でも依頼を引き受ける、そんな姿勢で営業をしていたなぁと懐かしい気持ちになります。

現在、独立をして頑張っている方やこれから独立を考えている方々が、どんな思いでいるのかはそれぞれかとは思いますが、せっかく独立をして一国一城の主となるならば、しっかりとお金を稼げるようになって欲しいと感じています。

福祉という仕事の性質上、お金儲けというと拒否反応を抱く方が多いのではないかなと思われます。

しかし、きちんと専門家として仕事をする以上、それに見合った対価をいただくのは当然のことで、なんら後ろめたいことはないはずなのです。それなのに、稼ぐことはいけないことみたいな風潮は終わりにしませんか。

特にケアマネジャーは、1件当たりの報酬が決められていて、加算以外はそれ以上にもそれ以下にもならない。となると、何件担当するかによって自分がどのくらい生産しているか把握できるはずなのです。一人で生産できる金額がある程度分かれば、そこから必要経費を引いて残った金額が自分の報酬となります。

ここまでくると、「居宅介護支援事業所が儲からない」と言われてきた理由が分かるのではないでしょうか。

では、どのようにしていけばよいのか。ここで選択肢としては、ケアマネを増やして特定事業所加算を取得できる条件を満たすか、産業ケアマネや研修講師等で介護保険以外の収入を増やしていくか。他にも方法はあるとは思いますが、パッと浮かぶのはこの2つくらいではないでしょうか。

居宅介護支援事業所を立ち上げるにあたって、どのようにして稼いでいくかの指針をある程度決めておく必要があると感じています。

自分はケアマネの人数を増やし、特定事業所加算を取得して事業として成り立たせていくという選択をしました。その頃は産業ケアマネの資格もなく、講師業なんて思いつきもしませんでした。

しかし、今は選択肢があるのです。産業ケアマネや講師業は今まで自分たちが経験してきた介護の知識や事例が一般社会で、価値のあるものだとの少しずつではありますが認識されてきているのです。

独立は決してゴールではありません。しっかりと会社として利益を出して始めてスタートラインに立つことができるのです。自分たちの持っている知識や経験を生かして、稼げるようになってやっとゴールに向かうことができるのです。

10年前には考えられなかったことが、少しずつ現実となってきている今、行動を起こしている方、これから起こそうと思っている方すべての方に

『ケアマネの未来は明るいよ!』

そう伝えることができればいいなと思っております。

みんなでしっかりと稼げるようになりましょう!