多様な介護問題に対応できる両立支援の考え方

講師:池田 心豪氏

慶應義塾大学文学部社会学専攻卒業/東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程単位取得退学/博士(経営学)(法政大学)

池田先生より、介護問題に対応できる両立支援の考え方についての講義があった。

仕事と介護の両立問題は…

生活時間配分・健康問題・人間関係の三層構造

 生活時間配分:最も会社から見えやすい

 通院の付き添い・デイサービスの送迎・立ち合い等

 健康問題:やや社会から見えにくい

 出勤しているがやや働きは落ちている

 人間関係:最も会社から見えにくい

 要介護者・家族・友人との関係等

 介護休業の考え方として、緊急対応・体制構築のための制度である。

 仕事と介護の両立支援の取り組み方法として、先ず社員の声を聞き従業員の仕事と介護の両立に関する実態の把握をし、

場面場面で介護に直面する従業員の支援をする。

 今後は多様な介護問題に対応した制度の整備が必要である。→従来の介護休業法の発想からの転換時期である。

 適切な介護休業は一律には決められない。

 個々のニーズとしては、休業期間が長ければ良いというものではない。介護休業・介護休暇・時短勤務の間に代替え関係が成り立つなら、介護休業の代わりに介護休暇や時短勤務で対応しても良い。

 一つの制度で対応できる場合もあることを学んだ。それには様々な法律を知る必要があり、まさに産業ケアマネが必要な時代である。

また、介護離職や仕事と介護の両立等の状況を克服するには、企業や家庭や地域社会による支援が柔軟かつ有機的に連携できるような支援体制の構築が重要である。