株式会社介護屋山﨑 代表取締役
一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会
ケアマネジャーを紡ぐ会 奈良支部長
山﨑 理央
正解がない仕事だからこそ、一人で抱え込むのではなく、環境や仕組みの中で支え合うことが大切だと感じています。だからこそ、現場感覚を持ち続けることを大切にしたいと思っています。
みなさん、こんにちは。
ケアマネジャーを紡ぐ会 奈良支部長の山﨑と申します。
今回は、私が運営している居宅介護支援事業所の立ち上げから現在までの経過と、日々の実践の中で大切にしてきた考え方についてお伝えします。
法人設立は2024年2月1日、居宅介護支援事業所「つむぐみらい」は同年4月1日に指定を受け、スタートしました。
そして2026年4月1日時点で、ケアマネジャー4名、事務員1名の体制となっています。
① 一人ケアマネで感じた限界
立ち上げ当初は、一人でどこまでできるのかを考えながら走っていました。
ただ、ある時はっきりと思ったことがあります。
このままでは、自分が潰れる。
件数は増えていく。
相談も増えていく。
それ自体はありがたいことですが、同時に余白(時間)は確実に削られていきました。余白(時間)がなくなると、自分自身に余裕がなくなり、何をしてもうまくいかないような感覚に陥りました。
だからこそ、強く感じたことがあります。
「一緒に活動してくれる仲間が欲しい。」
ケアマネジャーの仕事は、一人でもできてしまう仕事です。しかし、一人で抱え続けるよりも二人で、二人よりも三人で関わることで余裕が生まれると感じました。以前勤めていた頃、事業所内で複数のケアマネが関わることで、自然と支え合えていたことを思い出しました。だからこそ、人を増やすという判断は、自分自身がこの仕事を続けていくためでもあり、「一人にしない環境をつくるため」の選択でもありました。
② チームづくりで大切にしたこと
ここからは、求人を出すと決めた時に何を大切にし、どのような考えで人を増やしてきたのかについてお伝えします。
採用において重視したのは、スキルや経験よりも価値観です。
その中でも特に大切にしたのは、
「ケアマネとして何がしたいか」ではなく、
「ケアマネ以外の時間に何をしたいか」という生活や活動を具体的にイメージできているかどうかです。
畑仕事をしながら働きたい。
庭木や花を育てたい。
子育てと両立したい。
講師活動を続けていきたい。
そうした具体的な生活イメージを、自分の言葉で語れる人と一緒に働きたいと考えました。仕事だけに偏るのではなく、その人の暮らしの中でケアマネという仕事をどう続けていくか。この視点を持っている人は、結果として無理なく、そして長くこの仕事を続けていけると感じたからです。この考え方はカンパニールールとして大切にし、仕組み化することで応援していきたいと考えています。
もう一つ、今回の体制づくりで、大きな意味を持ったのが事務員の配置です。
弊社では、ケアマネジャーの仕事は「相談援助職」であることに価値を置いています。
しかし実際には、多くの時間が事務作業に費やされてしまう現実があり、そのため、IT・DXの取り組みに加え、事務員を配置することで、できる限り相談援助業務に注力できる体制を整えています。
この分業によって、ケアマネが本来向き合うべき時間を、しっかり確保できるようになりました。
③ 自由と責任、そして孤立させない仕組み
働き方については、従来の形にとらわれずにテレワークを取り入れ、それぞれが自分で予定を組み立てながら業務を進めています。しかし、テレワークでは出勤せずに済むため、職場という空間にいない分、働き方が他者から見えません。
そのため、一人で抱え込みやすく、また人は自分を甘やかすこともできるため、書類作成が後回しになるリスクが高まります。
企業視点で見ると、従業員の働き方が見えず、運営基準等で定められた支援を行なっていない、必要な書類が作成されていなかった場合は運営基準違反と判断される可能性もあるため経営リスクに繋がります。
この働き方は、働きやすさや自由を感じやすい反面、責任が伴うのです。
そこで、会社の仕組みとして最も大切にしているのが「孤立させない」ことです。いつでも相談できる状態を意図的に作り、進捗を確認することを大切にしています。
すぐに連絡できる環境。
気軽に意見を出せる関係性。
決して一人にしない仕組みづくり。
ケアマネという仕事に不安を感じている人ほど、この環境があることで、安心して現場に立つことができると考えおり、その取り組みの一つとして月に一度のランチミーティングを開催しています。業務の確認だけではなく、日々の迷いや困りごとの共有、一人で抱えていたことを言葉にすることで、チームとして支え合うための大切な場になっています。
これらの取り組みに共通しているのは、「前例がないからやらない」という考え方をしないことです。
活用できるものは活用する。便利なものはどんどん取り入れる。問題があれば柔軟に軌道修正する。完璧な形を最初から求めるのではなく、試しながら前に進む。とにかく、立ち止まらない。ケアマネジャーや事務員の負担が軽減され、大切にしたいそれぞれの生活や、本来のケアマネ業務に向き合える時間を確保すること、働きやすさにつながるものであれば積極的に取り入れる。そして、この判断を間違わないために、現場での感覚や実感をもとに考え続けることが大切だと感じますので、代表の私は生涯現役ケアマネジャーでありたいと考えています。
現役のケアマネジャーの皆さまの中には、ケアマネという仕事に過度な負担を感じながら働かれている方もいるかもしれません。しかし、一人で抱え込まない環境や、支え合える仲間がいれば、ケアマネの仕事は楽しく続けていけるものだと実感しています。
ケアマネジャーは仕組み次第で、皆さんの大事にしたい生活とケアマネ業務の両立が安心して行える職種ですし、そのための環境や仕組みは、自分たちで作っていけるものです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、今日も素敵な1日になりますように。







