再確認したい内容: 「作成年月日」の日付はいつを書くべきなのか?

一般社団法人あたご研究所 代表理事
後藤 佳苗

保有資格、役職など
一般社団法人あたご研究所代表理事、特定非営利活動法人千葉県介護支援専門員協議会理事、看護学修士(地域看護学)、保健師、介護支援専門員、千葉県介護支援専門員指導者など
略歴と現在の活動
千葉県職員(行政保健師)として、保健所、精神科救急病院、千葉県庁母子保健主管課、千葉県庁介護保険担当課等に勤務し、2005年4月~現職
ケアマネジャー、介護福祉職、行政等職員、コメディカルなどに対し、年200回以上のセミナーを全国で担当する

“略称”と正式名称

⚫“運営基準”:「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)」
⚫“算定基準”:「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第20号)」
⚫“大臣基準告示”:「厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)」
⚫“解釈通知”:「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(平成11年老企第22号)」
⚫“算定基準の解釈通知”:「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成12年老企第36号)」
⚫“標準様式通知”:「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について(平成11 年老企第29号)」

【本文】

お問い合わせを受けることの多い内容の一つに、「第1表(居宅サービス計画書(1))や第2表(居宅サービス計画書(2))の右肩にある『作成年月日』には、いつの日付を書くべきなのか?」 というものがあります。

運営指導やケアプラン点検等で、「ケアプランの作成日を書きなさい」や、「利用者の署名欄の日付と同じ日にしなさい」などの助言を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、どの日付が正しいのか? と聞かれても正解はないという現実について確認を進めます。

居宅サービス計画書の第1表~第7表、すべての標準様式に位置づけられている「作成年月日」ですが、標準様式通知には、居宅サービス計画書の第6表(サービス利用票)以外の「作成年月日」に関する記載要領は示されていません。

⑫「作成年月日」
居宅サービス計画からサービス利用票を作成し、利用者の同意を得た日付を記載する居宅サービス計画の変更を行った場合は、変更後の居宅サービス計画に基づいてサービス利用票を作成し、利用者の同意を得た日付を記載する。ただし、利用者が作成した場合は、記載する必要はない。
第6表(サービス利用票)の作成年月日の記載要領(標準様式通知 別紙1の6⑫)

しかし、実務においては、記載要領が示されていないから、いつの日付でもいいというわけにはいかないのが実情です。

第4表(サービス担当者会議の要点)ならば、当該帳票を作成した日を記載し、第5表(居宅介護支援経過)ならば、その用紙に記録を開始した日を記載することでよいのですが、特に悩ましいのは、第1表(居宅サービス計画書(1))の作成年月日についてです。

2003(平成15)年9月26日の標準様式通知の一部改正にて、「作成年月日」が、第6表以外の標準様式のすべての帳票に追加されました。

この際、「作成年月日が追加された理由(改正の趣旨)」として、以下の内容が示されています(現在の標準様式通知からは削除されています)。

改正前の標準様式では、各表の内容について、利用者(家族)と介護支援専門員等(援助者)との間で共通認識がどの時点でなされたのかがわかりにくいとのご意見があったため、共通認識された日(作成日)を一見して確認できるよう、各表の共通した位置に欄を追加したものである

つまり、「作成年月日」は、利用者への説明と同意の徹底のため、追加された内容です。

しかし、追加された当初から「作成年月日」に、いつの時点の日付を書くのかについては、疑義等が出され、当該通知が一部改正された年度の「全国高齢者保健福祉・介護保険担当課長会議(平成16年2月19日)」においても質疑応答がなされました(出典:「介護サービス計画書(ケアプラン)様式の一部改正についてのQ&A」全国高齢者保健福祉・介護保険担当課長会議(平成16年2月19日)。

Q1:「作成年月日」とは、何の日付を記載するのか。

A:利用者(家族)と介護支援専門員等(援助者)との間で、介護サービス計画原案について説明・同意(共通認識)がなされた日である。
  なお、居宅サービス計画「第4表」、「第5表」及び施設サービス計画「第5表」、「第6表」については、介護支援専門員が作成(記録)した日である。
  また、居宅サービス計画「第表」及び施設サービス計画「第表」については、介護支援専門員が作成(記録)を開始した日である。
下線部分の標準様式の帳票番号は、現在のものに改変。現在、標準様式ではない帳票については、見え消しで削除)

この回答が、「同意(共通認識)」ではなく、「文書同意」ならば、利用者の同意日(第1表の署名欄の日付。つまり、ケアプラン原案がケアプランになった日)と同じ日付です。

しかし、“文書”とは明記されずに、単に“同意(共通認識)”とされていることから、説明・同意がなされた日とケアマネジャーと利用者が認識しあった日付を記載する(文書に拠る必要はない)と判断されるのです。

すなわち、作成年月日が標準様式に位置づけられた経緯や厚生労働省の回答などから、第1表~第3表の作成年月日の日付については、明確に示されたものはなく、ケアプラン原案の作成日、ケアプランの作成日、サービス担当者会議の開催日、ケアプランの文書同意を受けた日のいずれかを記載する事業所やケアマネジャーが多い印象を受けています。

ただし、どの日を作成年月日の基本的な日付にするかについては、事業所内で統一するとともに、保険者等の指示やルールがある場合(例:ケアプランの同意日(署名欄の日付)とあわせるように)などには、それに従った方が賢明でしょう。

ここまで確認してきたとおり、第1表~第3表の作成年月日については、国の共通ルール(標準様式通知の記載要領)は示されていません。

しかし、第1表(居宅サービス計画書(1))には、「作成年月日」、「居宅サービス計画作成(変更)日」、「署名欄」という3か所に日付を記入することが一般的です

「居宅サービス計画作成(変更)日」と「署名欄」の日付についても、それぞれ確認を進めます。

※署名欄は標準様式には含まれていませんが、説明、文書同意、交付が済んでいることを明確にするため、第1表の枠外に作成することが推奨されています。

1)「居宅サービス計画作成(変更)日」

標準様式通知別紙3のⅣの1⑥にて、「当該居宅サービス計画を作成または変更した日を記載する」と示されています。

このため、新規のケアプランを作成する場合と、ケアプランを変更する場合で、日付については考え方に差が生じます。

①新規のケアプランを作成する場合

新規のケアプランの場合で、ケアプラン原案がそのままケアプランになった場合には、ケアプラン原案の作成日若しくはケアプランの文書同意を受けた日のいずれかを記載します。

一方、ケアプラン原案が変更されてケアプランになった場合には、サービス担当者会議の開催日や、ケアプランの文書同意を受けた日のいずれかを記載することになるでしょう。

②ケアプランを変更する場合

ケアプランを変更する際は、「居宅サービス計画作成(変更)日」に、当該ケアプランを変更した日を記載します。

それまで使っていたケアプランを変更する場合には、利用者の文書同意により、ケアプランが確定(変更)となりますから、ケアプランの文書同意を受けた日を記載するが基本となります。

ただし、利用者の都合等で署名欄の記載が遅くなる(同意日の記入が遅れる)場合などには、ケアプランが変更することを担当者含めて合意したサービス担当者会議の開催日を記載してもよいでしょう。

2)第1表の署名欄

署名欄は、標準様式には含まれていません。

しかし、ケアプラン原案の説明と文書同意、ケアプランの交付が済んでいることを明確にするため、第1表の枠外に作成することが推奨されています。

その理由と根拠は以下のとおりです。

ケアマネジャーは、利用者自身によるサービスの選択やサービス内容等への利用者の意向の反映の機会を保障するため、作成したケアプラン原案の内容について、利用者又は家族に説明したうえで、利用者の同意を文書で得なければなりません(運営基準第13条第10号)。

この利用者の文書同意をもって、ケアプラン原案がケアプランとして確定します。

なお、運営基準第13条第10号、第11号ともに、運営基準減算に該当する項目(算定基準、大臣基準告示、算定基準の解釈通知)のため、適切に対応したことが明確になるよう、第1表の下の部分に署名欄を設け、利用者等への説明、利用者による文書同意、利用者への交付の手順が適切に行われていることを明らかに示すことが望ましいでしょう。

 介護支援専門員は、居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等について、保険給付の対象となるかどうかを区分した上で、当該居宅サービス計画の原案の内容について利用者又はその家族に対して説明し、文書により利用者の同意を得なければならない。
十一 介護支援専門員は、居宅サービス計画を作成した際には、当該居宅サービス計画を利用者及び担当者に交付しなければならない。
運営基準第13条第10号、第11号

なお、署名欄の日付については、説明・同意・交付のうち、「文書」で求められているのは「同意」であることから、同意を受けた日付を記載する場合が一般的と考えます。

~ 第1表(居宅サービス計画書(1))の「作成年月日」「居宅サービス計画作成(変更)日」「署名欄」の日付はそろえねばならないのか?~

ここまで確認してきたとおり、「作成年月日」は、記載要領が示されておらず、「居宅サービス計画作成(変更)日」は、日付が一緒となる場合でも新規の場合と変更の場合で考え方が異なり、「署名欄」は、標準様式ですらありません。

それぞれの記載のルールに沿って日付を書くことになるため、日付をそろえるかどうかに関する規定はありません

しかし、日付を統一させることにより書類管理がスムーズとなるなどの理由から、原則として3つの日付をそろえるよう指導している保険者等もあります。

まずは、第1表の3つの日付の考え方について、事業所内で統一することから取り組んでみましょう。

その後、保険者等の指示やルールがある場合(例:必ず3つの日付をそろえること、原則として3つの日付はルールどおり正確に記載すること)などには、それに従ってください。