ケアマネジャーを紡ぐ会 富山支部長
株式会社エンジョイライフサポーター 代表取締役
畑野 充則
効率よく仕事を楽しめることを追い求める変人
働き方と働くツールで生活の質まで変わる
皆さん、こんにちは。
私は、平成31年4月に富山県高岡市で居宅介護支援事業所と訪問介護事業所を立ち上げ、今年8月には埼玉県春日部市に新たな居宅介護支援事業所を開設しました。富山と埼玉、離れた二つの場所で事業を展開している私たちが、今、最も大切にしていること。それは、**DX(デジタルトランスフォーメーション)**を通じて、ケアマネジャー一人ひとりが仕事もプライベートも充実できる働き方を実現することです。
産業ケアマネ仲間との挑戦
埼玉で事業を始めたきっかけは、かねてより交流のある産業ケアマネの仲間たちと「本当にやりたいことを実現できる事業所を作りたい」という共通の思いを持ったことでした。利用者様一人ひとりに寄り添い、その人らしい生活を支える。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、既存の枠組みにとらわれず、柔軟な発想で質の高いケアマネジメントを追求することにこだわりました。
この思いは一つの地域にとどまらず、もっと多くの場所で実現できるのではないかと考えるようになりました。富山で培ってきたノウハウと、埼玉の仲間が持つ情熱と知見を掛け合わせれば、より多様な視点から地域を支えることができる。そんな確信が、今回の春日部での開業へと繋がりました。
富山と埼玉という距離を越えて事業を運営する上で、鍵となるのは**ICT(情報通信技術)**の積極的な活用です。私たちは、遠隔地でもスムーズな情報共有と業務管理ができるシステムを構築しました。例えば、クラウドを活用したケアプランの共有や、オンライン会議ツールを使った定期的なミーティングは、今では当たり前の風景です。物理的な距離に縛られることなく、必要な時に必要な情報を共有できる環境があるからこそ、遠隔地でも強力なチームワークを築くことができています。この取り組みが注目され、最近では他事業所の方から「話を聞かせてほしい」というご依頼をいただく機会も増え、私たちの挑戦が新たな広がりを見せていることを実感しています。
ICTとAIで生み出す、自分自身の時間
皆さんは、日々膨大な書類作成や情報整理に追われていませんか? ケアマネジャーの仕事は多岐にわたり、ついつい自分の時間が削られてしまいがちです。私たちがDXを推進する一番の理由は、この現状を変え、ケアマネジャーの皆さんに**「自分自身の時間」を取り戻してほしい**からです。
私たちは、クラウドサービスやオンライン会議ツールといったICTの活用はもちろんのこと、**AI(人工知能)**を活用した業務効率化を積極的に導入しています。例えば、AIが書類作成をサポートしてくれるツールを使えば、今まで何時間もかかっていた作業が大幅に短縮できます。
これは単なる業務効率化ではありません。AIに任せられる部分は任せることで、ケアマネジャーは本来の専門性を発揮することに集中できます。利用者様やご家族とじっくり向き合う時間が増え、より質の高いケアプランを提案できるようになるのです。
ワークライフが充実すれば、ケアの質も向上する
仕事の時間を効率化し、自分の時間を取り戻す。このことは、ケアマネジャー自身の生活の質(QOL)向上に直結します。趣味の時間、家族との時間、自己研鑽の時間。心に余裕が生まれれば、ケアマネジメントにも豊かな発想が生まれます。
仕事が充実し、プライベートも満たされているケアマネジャーは、いきいきと輝いています。そのいきいきとした姿は、必ず利用者様やご家族にも伝わり、安心感につながります。これは、DXを通じた働き方改革が、日本の介護業界全体の課題解決に繋がる可能性を秘めているからだと感じています。
地域全体に広がるDXの輪
富山と埼玉という異なる地域で事業を展開しているからこそ、それぞれの地域性を活かしたDXのあり方を模索しています。今後は、私たちの事業所だけでなく、この取り組みを地域全体に広めていきたいと考えています。
ケアマネジャーが自分の時間を大切にできる働き方を実現できれば、介護業界はもっと魅力的になります。そして、私たち自身が幸せに働けるようになれば、利用者様の暮らしもより豊かになっていくはずです。
これからも、DXを味方につけて、仕事もプライベートも充実したケアマネジメントを追求していきます。そして、この挑戦を通して得られた知見を、皆さんと分かち合えることを楽しみにしています。







